月に二度ほどは家族に会えるはず

家族を残して赴任した場合、どうしてもその土地が「自分の居場所である」という具合に解決することができないでしょう。他の場所に自宅があり、家族がそこに住んでいるという場合は、どうしてもその土地を「我が家」とは思えないのです。

家族と共に暮らすということは、人にとって自然なことです。自分が守るべき家族のそばにいて、経済的にも、精神的にも、支えになりたいと考えることは当然のことです。ですが、単身赴任というカタチで離れてしまうと「そばにいる」ということが果たせなくなってしまうものです。そのような状態ではまず「寂しさ」が募るのです。そして「不安」が募るのです。自分がそこにいること、自分が離れた土地にいることに苛立ちを覚えたり、「家族と一緒にいることができる他の人」が羨ましく思えたりするものです。

それはメンタル面に突き刺さるストレスです。それを解決するためには「家族」と一緒にいるということしか方法はありません。どれだけ前向きに考えても、どれだけ自分がその土地に対してポジティブなイメージを持っても、「そこには家族がいない」という「現実」は変わることがありません。そこに家族がいなければそのストレスは永遠に解消されることはないのです。それによって精神的に暗い部分を持ち、仕事にどうしても打ち込めなくなってしまうということも考えられます。それでは単身赴任してそこで働く意味がないのです。自分がそこでチカラを発揮できないことは、会社にとってもマイナスなのです。貴重な戦力のひとり、高い給料を払って働いてもらっている重要な企業の構成員のひとりが、家族と離れることによって集中できなくなってしまうからです。

そのようなことは「単身赴任」を考えた瞬間にわかるものです。ですから、各企業では「自宅に戻る際の交通費」を負担してくれる場合があります。それは企業によって頻度が違うのですが、月に二度ほどは会社負担で戻れるのではないでしょうか。やはり、どこにいても家族は家族、そこに家があるのであれば、自分が戻るべき家は「そこ」しかないわけです。企業も「人」で構成されています。自分が大切なものを守りながら働いている人がほとんどです。ですから、「家族から離れること」に対するネガティブな影響は誰もが理解しているはずではないでしょうか。

社員がしっかりと働いてくれなければ、その会社にとってはマイナスなのです。ムダな社員などはいないはずです。そのような不要な人を雇っていく余裕は、今の時代どんな企業にもありません。ひとりひとりが重要な戦力で、ひとりひとりがしっかりと責任を果たしてくれなければいけないのです。そのために必要なことは、会社は経費として負担する用意があるということです。それは「制度」として確立されている場合もあります。単身赴任が決まった際には、そのような制度がないかどうかしっかりと確認しましょう。家族と会う機会を提供してくれるのであれば、本当に仕事で必要な場合、単身赴任もしかたがないのではないでしょうか。そして、仕事にしっかりと打ち込んで、メリハリをつけて前向きに仕事をすることもできるのではないでしょうか。人は「メンタル」に大きく効率を左右されます。それを理解している会社は「良い会社」であるとも言えるのです。

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