子どもの環境を大切にしたい

子どもを育てている人は理解できるのではないでしょうか。子どもが育つための「環境」は大切であるということを。子どもをすくすくと育てたいのであれば、その環境に気を配ることが大切であるということを。

その転勤が長期の海外赴任などであれば、単身ではなく家族を連れて行くことで子どもを取り巻く環境を変えることができます。海外での経験は子どもにとって一生の経験です。海外で暮らした経験はその後の価値観、国際感覚に大いに影響します。これから先の日本ではますます国際化が加速し、仕事上での海外とのやり取りは当たり前になります。海外の人とのふれあい、海外で見たこと、感じたこと、そしていつか日本に帰って感じる「差」などを「実感」として持ったあなたの子どもは間違いなく「国際人」として社会に羽ばたけるようになるでしょう。

いわゆるバイリンガルはこのような環境で生まれます。家族と共に海外で暮らすから、その土地の言葉も覚え、また両親が話している日本語も覚えるのです。よく耳にするのが「日本語が苦手にならないかどうか」ということです。子どもを小さいうちから海外で育てると、母国語がおろそかになるのではないかということです。ですが、それは「誤解」です。そこでおろそかになってしまうのは「語学」としての日本語です。同年代の子どもたちが学ぶような「国語」に海外で触れなければ、帰国したあとになってそれが苦手になってしまっていることは考えられます。ですが、「コミュニケーション」はできます。

国際感覚を養う上でもっとも重要なものは「コミュニケーション」です。国語能力ではありません。国内でもよく耳にするのですが、「英語などを小さいうちから学ばせるのは早いのではないか」ということは誤解です。語学の真髄はコミュニケーションであり、その言葉を用いて相手と意思疎通ができればそれでいいのです。そこにある「お勉強」はあとからついてくるものであり、コミュニケーション感覚が豊かでなければ、いくら語学が堪能であっても意味がないということになります。ですから、子どもを海外の環境に触れさせることに対して臆することはないのです。

その海外赴任が長期に渡る場合、国内の自宅の維持の目処が立つ場合は、是非家族と一緒に海外赴任してみるといいでしょう。子どもは新しい環境でグングン新しいことを学ぶものです。その環境で触れたこと、感じたことは将来必ず役に立ちます。将来役に立つそれらの経験が、子ども未来を育てるのです。

何事も経験であり、「実感」です。理屈だらけのお勉強で海外に触れるよりも、自分なりに解釈した「感覚」の方が数倍尊いものです。自分のものとして、自分の文化として、自分自身としてその国のことを吸収していれば、それは立派な国際人です。その国際人の卵たちがこれからの社会を支えるのです。経済を動かすのです。いつかは海外と触れ合うことになることは間違いないのですから、仕事によって海外で暮らせるチャンスがくればそれを活かさない手はないのです。それが子どものためでもあり、家族のためでもあるのです。

子どもの環境は親が責任を持って揃えなければいけません。誰かが用意してくれるものではないのです。

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